【マタニティブルー対策】妊娠中や産後にうつにならないための予防と解消法をまとめてみた

マタニティブルー
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本記事では、マタニティブルーの症状や原因を、産前/産後の共通点/相違点に着目しつつ、セルフチェック方法、具体的な予防と解消法まで分かりやすく取りまとめてみました。妊産婦さん本人だけでなく、パートナーや家族ができるサポートもご紹介します。心身の不調を和らげるための実践的な対策に取り組んでみましょう。

マタニティブルーとは?

マタニティブルーは、妊娠中または出産直後の女性が感じやすい一時的な気分の落ち込みや不安、イライラなどの情緒不安定な状態を指す言葉1です。精神的に不安定になるだけでなく、肉体的に影響が出る人もいます。

多くの場合、一過性で、出産後数日から2週間以内に現れ、時間の経過とともに自然と症状が軽くなっていくようです。

マタニティブルーは、ホルモンバランスの変化や生活環境の急激な変化が大きな要因とされており、日本国内でも多くの女性が経験するといわれています。

マタニティブルーが発現する時期や期間には個人差があります。抑うつ状態が重度になると、「妊娠期うつ病」や「産後うつ」に移行するおそれがあるため注意が必要です。

マタニティブルーの症状

マタニティブルーの主な症状は以下のとおりです。

症状具体的な内容
不安感将来や育児に対して漠然とした不安を感じる
気分の落ち込み理由もなく急に涙が出る、憂うつな気分になる
情緒不安定突然悲しくなる、イライラしやすい、焦りを感じる
集中力の低下物事に集中できない、ぼんやりする
不眠寝つきが悪い、眠りが浅い
食欲の低下あまり食欲がわかない、食事が進まない

食欲不振ではなく逆に過食傾向になったり、動機や息切れ、頭痛、倦怠感などに悩まされる人もいます。

症状は個人差がありますが、産後数日から2週間程度で自然に軽快する方が多いようです。

マタニティブルーの原因

マタニティブルーの原因は主に、以下のような要素が複合的に影響すると考えられています。

  • 急激なホルモンバランスの変化(エストロゲン、プロゲステロンなど)2
  • 生活環境の急変(家族構成の変化、生活リズムの崩れなど)
  • 睡眠不足や疲労の蓄積
  • 母親としての責任に対するプレッシャー
  • 将来に対する不安
  • 体型の変化に対するとまどい
  • 思うように外出や食事が出来ないことに対するストレス
  • 家族や周囲からのサポート面での不足

特にホルモンバランスの変動や睡眠不足は、精神的な安定に大きく影響するとされています。

また、マタニティブルーになりやすい人の傾向として、完璧主義、我慢強い(一人で抱え込みやすい)、責任感が強い、状況を言語化したり感情を表現するのが苦手、などが挙げられます。「自力で解決しなければいけない」「他人に迷惑をかけてしまう」などと思ってしまうと、周りにも相談することが出来ず、苦しいですよね。

妊娠・出産は人生の大イベント。妊娠出産の前後で生活が大きく変化するのに伴って、心身も大きな変化を強いられます。疲弊して当たり前な状況のなかで、ココロの混乱が起き、マタニティブルーを経験する人も少なくありません。ストレスは、悲しく辛い出来事だけでなく、嬉しい出来事でも起こります。自分を責めず、出産に向けて心身の変化を受け入れつつ上手にコントロール出来たらいいですね。

マタニティブルーと産後うつの違い

マタニティブルーは一時的な軽い気分の落ち込みなのに対し、産後うつはより長期間にわたり重い症状が続きます。そのため、症状の経過や現れ方には明確な違いがあります。

産後うつの主な症状例

産後うつは以下のような症状が2週間以上続く場合に疑われます。

  • 強い無力感や絶望感が続く
  • 赤ちゃんに対して関心が持てなくなる/過度に心配になる
  • 食欲不振または過食が続く
  • 慢性的な不眠が続く
  • 自分を責める思考が強まる
  • 自傷的な思考になることがある

産後うつは自然に治ることが少なく、早めの専門的な医療支援が必要です。

産後うつにならないために

産後うつを予防するためには、下記のような点が大切です。

  • 睡眠と休息をしっかりとる
  • 家族やパートナー、周囲とコミュニケーションを取り、不安や悩みを打ち明ける
  • 無理をせず、周囲にサポートをお願いする
  • 気になる症状が続く場合は早めに医療機関へ相談する

マタニティブルーと思っていても、症状が続いたり悪化した場合は産後うつの可能性もあるため、早めに専門家へ相談しましょう。

「赤ちゃんを授かったのに可愛く思えないなんて母親失格だ」などと自分を追い詰めたり、周りの母親たちと比べないこと。妊産婦さんによくあることだと理解して、周りの協力を得つつ、休養を取りましょう。積極的な気分転換も◎。不安や悩み、悲しい気持ちや辛い気持ちを一人で抱えこまず、家族や友人、医師や助産師、保健師などの専門家を頼ることも大切ですよ。

産後うつは専門的な治療が必要な精神疾患です。放置すると自傷だけでなく、将来的な育児ネグレクトや虐待などのリスクとなるため、心療内科や精神科の受診が必要です。

【関連用語】産後クライシス

産後クライシスとは、出産後に夫婦関係が急速に悪化する現象を指します。

主に、妻のホルモンバランスの変化や子育ての負担、コミュニケーション不足などが原因で、夫婦の愛情が冷めたり、イライラが募ったり、夫婦喧嘩が増えたりすることがあります。最悪の場合は離婚にまで至ってしまうこともあります。

産後クライシスについては別ページ「【産後クライシス対策】夫婦円満/夫婦仲修復で離婚を防ぐための夫婦関係構築ガイド」でご紹介しています。

マタニティブルーのセルフチェック方法

マタニティブルーに気づくためには、まず自分の心と体の状態を客観的に確認することが大切です。症状が軽いうちから適切な対策をとるためにも、セルフチェックを定期的に行いましょう。

手軽にできるチェックリスト

以下のチェックリストは、妊娠期や産後に感じやすい心や体の変化を項目ごとにまとめたものです。自身に当てはまるものがいくつあるかを確認し、気になる場合は次のステップを検討しましょう。

チェック項目具体的な内容
気分の落ち込み理由もなく気分が沈む、無気力感が続く
涙もろくなる些細なことで涙が出やすくなる
イライラや不安感家族やパートナーに対してイライラしたり、将来への不安を強く感じる
睡眠の質の低下寝つきが悪い、十分な睡眠がとれない
食欲の変化食欲が極端になくなる、または過食気味になる
やる気・集中力の低下日常の家事や育児に集中できない・無関心になる
身体的な不調頭痛、肩こり、胃痛など身体的な不調が続く
自分を責める気持ち自分が母親としてふさわしくないと感じる

2~3項目以上心当たりがある場合や、日常生活に支障が出ていると感じた時は、ひとりで抱え込まずに周囲へ相談することが大切です。

専門機関への相談も検討しよう

セルフチェックで心配な点が見つかった場合は、無理をせず医師や専門機関に相談することをおすすめします。特に、気分の落ち込みが2週間以上続く場合や、日常生活が困難になるほどの症状が現れている場合は、早期に専門家のサポートを受けることが大切です。

相談先としては、産婦人科、心療内科、各自治体の保健センターなどがあります。地域によっては保健師や助産師による相談窓口も設けられていますし、産後ケア事業を実施している市区町村も多いですので、お住まいの市町村の窓口に問い合わせてみるのも良いでしょう。

専門家への相談は、早期に適切な対応を取るための第一歩です。誰にも相談できないと感じたときも、「一人で抱え込まないこと」を意識しましょう。

マタニティブルー対策|予防編

マタニティブルーは誰にでも起こりうる心身の変化ですが、日常生活の中でできる予防策を意識的に取り入れることで、症状の発生や悪化を防ぐことができます。ここでは、妊娠中と出産後のそれぞれの時期ごとに有効な対策について詳しく解説します。

妊娠中の対策

妊娠中はホルモンバランスの変化や体調不良など、心と体に大きな負担がかかります。健やかなマタニティライフを送るためには、以下のポイントをバランスよく取り入れることが大切です。

予防方法ポイント
バランスの取れた食事鉄分や葉酸、カルシウム、たんぱく質をしっかり摂取し、体の基礎を整えましょう。
和食や旬の食材を中心に、主食・主菜・副菜を意識して。
適度な運動医師の許可があれば、ウォーキングやマタニティヨガなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。
心身のリフレッシュ効果があります。
質の高い睡眠寝室の環境を整え、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
昼寝や短時間の休憩も取り入れて、体の疲れを早めに取ることも大切です。
ストレスを溜めない工夫趣味の時間を大切にし、家族や友人とコミュニケーションを取りましょう。
孤独感や不安の解消につながります。

バランスの取れた食事

妊娠中は、体の栄養バランスが崩れやすいため、鉄分やタンパク質、ビタミンなどを意識して摂取することが重要です。管理栄養士に相談したり、厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」も参考になります。

適度な運動

運動はストレス発散や睡眠の質向上に役立ちます。ウォーキングやストレッチ、マタニティスイミングなど、自分の体調に合わせて無理なく取り入れましょう。体を動かすことで、気分転換にもなります。

質の高い睡眠

入眠前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる音楽を聴くなどの工夫で快眠を促しましょう。昼寝を取り入れる場合は、20分程度に抑えると夜間の睡眠にも影響しにくくなります。

ストレスを溜めない工夫

不安や悩みはひとりで抱え込まず、パートナーや親しい友人、医療機関の専門スタッフに相談しましょう。また、産婦人科や保健センターで開催されている母親学級への参加もおすすめです。

出産後の対策

出産後は、慣れない育児やホルモンバランスの変化により、心身ともに不安定になりやすい時期です。できるだけ負担を減らすために、下記のポイントを意識しましょう。

予防策実践ポイント
周囲のサポート体制の構築パートナーや家族に積極的に協力をお願いし、自分ひとりで抱え込まないよう環境を整えましょう。
完璧主義を手放す「こうあるべき」と考えすぎず、できる範囲で育児・家事を進めることが大切です。
自分のための時間を確保する短い時間でも趣味や休息をとることで、心身のリフレッシュにつながります。

周囲のサポート体制の構築

育児や家事の分担を積極的に話し合い、応援してくれる家族や地域のサポートサービス(ファミサポ、産後ケア事業等)も活用しましょう。

産前産後ホテル(産前産後の母親と赤ちゃんが心身ともに回復できるよう、宿泊型の施設で専門的なケアや育児指導を受けることができる民間サービス)などもありますので、ご自身にあったサポートサービスを検討してみましょう。

完璧主義を手放す

妊娠期や出産後、赤ちゃんが生まれたばかりの時期は、思い通りに進まないことが多いものです。「完璧にやらないといけない」と思い詰めず、他者に頼ったり、多少できなくても自分を責めない気持ちを持つことが、ストレス軽減につながります。

自分のための時間を確保する

家事の分担を家族にお願いしたり、子どもを周囲に預けて短時間でもリフレッシュすることで、心身のエネルギーを回復できます。読書や音楽、散歩やカフェで過ごすなど、好きなことをする時間を意識的に作りましょう。

マタニティブルー対策|解消編

軽度のマタニティブルーの解消法

気分転換

気分が落ち込んだときは、部屋の窓を開けて外の空気を吸ったり、近所を散歩したりするなど、短時間でも外出して気分を切り替えてみましょう。また、趣味や好きなことに取り組む時間を持つことも有効です。家の中でも、テレビや映画、読書など自分がリラックスできることに意識を向けましょう。

アロマテラピー

アロマオイルはリラックス効果や気持ちを安定させる働きが期待できます。産婦人科医や助産師からも推奨されているラベンダーやベルガモットなど、妊娠・授乳中でも使えるアロマを使用してみましょう。入浴時や就寝前のリラックスタイムに取り入れることで、気分の落ち込みを和らげる効果があります。

アロマを使用する際は、安全性や使用方法について専門家のアドバイスを受けましょう。

リラックスできる音楽を聴く

音楽にはストレスを軽減し、心を落ち着ける力があります。

ご自身の好きな音楽や、ヒーリングミュージック、自然音などを生活の中に取り入れてみてください。音楽療法は医療現場でも活用されており、心身のリラックスを促す有効な方法です。

中度~重度のマタニティブルーが疑われる場合の対処法

専門医への相談

マタニティブルーの症状が長期化したり、日常生活に支障をきたす場合は、精神科や心療内科、産婦人科の専門医に相談することが大切です。専門医は適切な診断と治療法を提案してくれます。「これは自分だけかも」と感じて悩みを抱えず、早めの受診を心がけましょう。公的な機関の相談窓口も利用できます。

カウンセリング

心理カウンセリングは、気持ちの整理や心のケアを図るために有効です。自治体や病院でカウンセリングを行っているケースもあります。臨床心理士や公認心理師など、専門資格をもつカウンセラーに相談することで、不安や孤独感の軽減につながります。

薬物療法

中度から重度の場合、必要に応じて医師の判断で薬物療法が行われることもあります。抗うつ薬や抗不安薬は、妊娠・授乳中の安全性を十分に考慮しながら処方されますので、自己判断で薬を使用・中断しないことが重要です。

解消法特徴注意点相談先
気分転換外出や趣味、リフレッシュ活動による気持ちの切り替え無理のない範囲で行う身近な家族、友人
アロマテラピーリラックス効果のあるアロマを生活に取り入れる使用アロマの種類と使用法に注意助産師、医療機関
音楽鑑賞リラックスできる音楽を聴くことで気分を和らげる長時間のイヤホン使用は控える本人
専門医への相談精神科や産婦人科医師による診断・治療早めの受診が大切医療機関、公的相談窓口
カウンセリング心理士など専門家による心のケア継続的な相談が効果的自治体・医療機関の相談窓口
薬物療法症状に応じた薬の使用医師の指示に従うこと精神科、産婦人科

パートナーや家族ができるマタニティブルー対策

マタニティブルーは、妊婦さん本人だけでなく、パートナーや家族など周囲の支えによって乗り越えやすくなります。妊娠・出産という大きな変化の中で、精神的・身体的な負担が増える時期だからこそ、周囲の理解と協力が重要です。

ここからは、パートナーや家族ができる具体的なマタニティブルー対策について解説します。

妻/母親へのサポート

妊娠中や産後の女性は、ホルモンバランスや環境の変化から情緒が不安定になりやすい傾向があります。まずは妊婦さん自身の気持ちや体調の変化に寄り添い、無理をさせない配慮が重要です。パートナーやご家族が積極的にコミュニケーションをとり、「一人ではない」という安心感を与えることが大切です。

具体的な行動例

対策方法ポイント・効果
家事の分担妊娠中や産後は、家事の負担が精神的ストレスにつながりやすいため、パートナーや他の家族が率先して家事を分担しましょう。
食事の準備や掃除、洗濯、買い物など、日常的な業務を協力することで、心身の負担が大きく軽減されます。
育児への参加赤ちゃんのお世話をパートナーや家族が積極的に分担することで、母親の孤立感を防ぎ、精神面での支えとなります。
ミルクづくりやおむつ替え、沐浴など、できることは率先して参加しましょう。
話を聞いてあげる妊婦さんや産後ママの気持ちや悩み、不安をじっくり聴いてあげる時間を持ちましょう。
「共感する」「否定しない」「アドバイスや指摘を急がない」ことがポイントです。
精神的なサポートが大きな安心感を生みます。
休息の時間を与える充分な睡眠や自分の時間を取れるようサポートしましょう。
赤ちゃんの世話や家事を引き受けて、母親が一息つける時間を意識的に設けることで、心身のリフレッシュにつながります。

家事の分担

家族全員が家事をシェアすることで、母親の負担が軽減されます。特に、妊娠中や産後は疲れやすくなるため、炊事、掃除、洗濯などの基本的な家事をパートナーや家族が積極的に担当しましょう。

育児への参加

夜間のミルク授乳やおむつ替え、沐浴など、育児のさまざまな場面に参加することが重要です。分担することで、母親は肉体的にも精神的にも休息を取ることができ、家族の絆を深めることにもつながります。

話を聞いてあげる

妊娠や子育てに対する不安や悩みを受け止める姿勢が求められます。否定やアドバイスを急がず、ゆっくり耳を傾けてあげることで、安心感と自己肯定感の向上をサポートできます。

休息の時間を与える

母親が自由に過ごせる時間やしっかりと寝られる環境を整えることも大切です。例えばパートナーが赤ちゃんの面倒を見る時間を確保したり、家族で協力して外出の機会をつくるのも有効です。

また、身近な人が「いつもと違う」と感じた場合や、「落ち込みが長引いている」と感じた場合は、速やかに専門機関に相談することも重要です。

パートナーや家族の理解と協力こそが、マタニティブルーを予防・緩和し、母親の健康を守る第一歩です。感情面・実務面両方から、日々積極的にサポートしていきましょう。

マタニティブルーに関する書籍

マタニティブルーに関するよくある疑問Q&A

Q
マタニティブルーはいつからいつまで続く?
A

マタニティブルーは妊娠中または出産直後に起こり、遅くとも2週間以内に自然と軽快していくことが多いとされています。多くの場合、ピークを迎えた後、そこから徐々に症状が落ち着いていきます。

典型的なマタニティブルーは「出産後」に一時的に現れるのが特徴です。症状が長く続いたり、日常生活に大きく支障をきたす場合は、心の健康の専門家や産婦人科に早めに相談しましょう。

※なお、医学的には産後3~10日ごろに生じる不安症のことを「マタニティブルーズ」と呼ぶそうです。本記事では不安から来る妊娠中/出産直後の一次的な心身の不調を「マタニティブルー」としてご紹介致しました。

Q
マタニティブルーは誰にでも起こるの?
A

マタニティブルーは誰にでも起こりえます。決して珍しいことではなく、出産した女性の30~50%程度が経験するといわれています。

特に初産の方や、サポート体制が十分でない場合、妊娠・出産という生活の大きな変化によるストレスが高い方は、発症しやすい傾向があります。しかし、妊娠・出産歴や性格に関係なく、誰にでも起こりうるものです。恥ずかしいことではなく、一時的な心身の変化として適切に向き合うことが大切です。

Q
マタニティブルーを経験したら産後うつになる?
A

マタニティブルーは一過性のもので、通常は自然に回復します。ほとんどの場合は産後2週間以内におさまるようです。ただし、ごく一部の方で症状が長引く、または悪化する場合には産後うつへの移行が懸念されます。

項目マタニティブルー産後うつ
発症時期産後2~5日目頃から産後2週間~数ヶ月以内
主な症状涙もろさ、気分の落ち込み、不眠、情緒不安定強い抑うつ、意欲低下、自分を責める、何も楽しめない
持続期間約2週間以内2週間以上継続
日常生活への影響軽度~中等度中等度~重度、日常生活に大きな支障

多くの場合、マタニティブルーからそのまま産後うつになるわけではありませんが、症状が重い・長引く場合は早めの受診が非常に重要です。自分ひとりで抱えず、家族や周囲、専門機関に相談することが予防につながります。

産後うつは専門的な治療が必要な精神疾患です。放置すると自傷だけでなく、将来的な育児ネグレクトや虐待などのリスクとなるため、心療内科や精神科の受診が必要です。

まとめ

マタニティブルーは多くの女性が経験する一時的な心の変化ですが、早めの対策や周囲の理解・サポートが重要です。バランスの取れた生活やストレスケアを心がけ、症状が重い場合は専門医に相談しましょう。大切なのは一人で抱え込まず、周囲と協力しながら乗り越えることですよ。

  1. 医学的には産後3~10日ごろに生じる不安症のことを「マタニティブルーズ」と呼ぶそうです。「マタニティブルー」は医学用語ではない&正確にいえば妊娠中の心身の不調は医学的な「マタニティブルーズ」とは区別されますが、本記事では、不安から来る妊娠中/出産直後の一次的な心身の不調を「マタニティブルー」としてご紹介していきます。 ↩︎
  2. 妊娠中には、妊娠を維持するためにエストロゲンとプロゲステロンを大量に分泌しますし、出産で胎盤が排出されると、体内のエストロゲン量とプロゲステロン量が大きく低下する(ほぼゼロになる)ため、急激なホルモンバランスの変化が起こります。急激なホルモンバランスの変化が自律神経の働きに影響をすると、心身の不調を感じやすくなります。 ↩︎
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