次は8万年後!日本でも肉眼で見える!?紫金山・アトラス彗星を見つけるコツ

未分類
この記事は約36分で読めます。

地球に接近する紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

「見逃すと次は8万年後!」というこの希少な天体ショーを、あなたも肉眼で見たいと思いませんか?

この紫金山・アトラス彗星は2024年秋に地球に最接近し、明るく見える1と予想されています。少なくとも、過去100年で1番明るい彗星だと期待されています。(日本でここまで明るく見られる彗星はヘール・ボッブ彗星以来で、それよりも明るいんじゃないかと言われています)

この記事では、紫金山・アトラス彗星がいつ、どこに見えるのか、そして肉眼で見つけるためのコツを分かりやすく解説します。彗星の明るさや等級、観測に適した時間帯や場所、光害対策はもちろん、天文アプリや星図を使った彗星の位置の特定方法、双眼鏡や望遠鏡を使った観測方法、さらにはスマホや一眼レフカメラでの撮影方法まで、網羅的にご紹介します。

この記事を読めば、あなたも貴重な紫金山・アトラス彗星の観測に万全の体制で臨むことができます。世紀の天体ショーを見逃さないために、ぜひ最後まで読んで準備を整えましょう。

紫金山・アトラス彗星とは

そもそも彗星とは

彗星は、氷とちりが混じった天体です。

彗星が太陽に近づき、太陽の熱によって氷が蒸発し、ガス(=気体)になるときに、ガス自体や塵が彗星から放出されます。物質がたくさん放出されればされるほど、長くて大きな尾が出るものと考えられています。この彗星活動は、一般的に、太陽に近づくほど活発になり、明るく見えます。

彗星は、観察する日により位置が変わっていきます。また、明るさも日々変化していきます。

紫金山・アトラス彗星とは

紫金山・アトラス彗星(Tsuchinshan-ATLAS彗星)は、2023年1月に発見された彗星。「紫金山」は、「ツーチンシャン」の他に「しきんざん」などの読みがあります。日本国内ではこれまで「しきんざん」と読まれることが多かったようです。

2023年1月9日に中国の紫金山天文台2の施設で発見されましたが、当初は確認の観測がされなかったため、しばらくしてこの観測報告が削除されてしまいました。その後、2023年2月22日に、ATLAS(Asteroid Terrestrial-Impact Last Alert System)3によって再発見され、紫金山天文台で発見された天体と同じ天体であることが判明しました。その経緯から両方の名前を取って「Tsuchinshan-ATLAS(紫金山・アトラス)彗星」と命名されました。

ちなみに、発見当初は小惑星として認識されていましたが、その後の観測で彗星活動が確認され、彗星として登録されました。

紫金山・アトラス彗星は、日本時間2024年9月28日に太陽へ最接近4地球には10月13日に最接近しました。(13日は最接近する日ではあるものの、彗星の見かけの位置は太陽にかなり近く、高度がかなり低い位置にあるため、肉眼で見える地域はかなり限られたようです)

マジックアワーとは、日の出前や日の入り後の薄明の時間帯で、魔法のような美しい空を見られることからこの名前が付けられました。英語では「トワイライト(Twilight)」と呼ばれます。

報道によると、明日2024年10月16日(水)~20日(日)頃が最も観察しやすい時期に入ります。(最接近した13日よりも、彗星の見かけの位置が太陽から離れて観察しやすい高度に入る16日頃からの方が見えやすくなるそうです。暗い場所で空を見上げて望遠鏡や双眼鏡を使うと見つけやすいと思います)

彗星が近くて明るいうちに観測しようとすると、13~15日頃がベストですが、西の低い位置にありますので観察しやすい高度に入る16日頃からの方が見つけやすそうです。16日は天気がイマイチなので、17日に期待かな?

10月下旬以降は、彗星が太陽からも地球からも遠ざかっていくため、徐々に暗くなっていきます。

生きているうちに2度と見られない

紫金山・アトラス彗星は、「見逃すと生涯2度と見られない彗星」として注目されています。

というのも、紫金山アトラス彗星の周期は非常に長く、現在の推定では約8万年とされているから。

紫金山アトラス彗星の軌道と周期

紫金山アトラス彗星は、非常に長い周期を持つ長周期彗星に分類されます。

紫金山・アトラス彗星の軌道は、太陽系の大部分を大きく回る楕円形を描いており、太陽系外縁部からやってくる非常に珍しいタイプの彗星です。太陽に最も近づく近日点と、最も遠ざかる遠日点の距離は大きく異なります。

彗星の軌道要素はまだ精査中だそうですが、現在の推定では、公転周期は数万年〜数十万年と非常に長く、次に太陽に近づくのは8万年後になると予測されているため、今回のような観測機会は非常に貴重であると言えます。

8万年後に再び見えるとは限らない

「非周期彗星だから人類が二度と見れない」という見解もあります。

紫金山アトラス彗星の公転周期は非常に長く、現在の推定では約8万年とされています。

これは、人類の歴史をはるかに超える時間であり、仮にこの彗星が再び太陽に接近したとしても、それを目にするのは8万年後の子孫ということになります。

ただし、彗星の軌道は惑星の重力などの影響を受けて変化する可能性があり、将来の軌道予測は不確実性を伴います。また、彗星は揮発性物質の氷や塵で構成されているため、太陽に接近するたびに質量を失い、最終的には消滅してしまう可能性もあります。

そのため、8万年後に紫金山アトラス彗星が再び地球から観測できるかどうかは、現時点では断言できません。

紫金山・アトラス彗星とスピリチュアルな関係

彗星の出現は、時代の変化や変革、そして新たな始まりを告げるものとして解釈されることが多く、彗星は古来より、大きな変化や変容の象徴とされてきましたが、紫金山・アトラス彗星も、スピリチュアルな意味や宇宙からの強力なエネルギーやメッセージを持つと考える人々もいます。

この時期は、進むべき道がより明確になり、本質に沿った行動を取りやすくなるとのこと。これは是非生で見たい!紫金山・アトラス彗星を活かして、変化のビッグウェーブに乗り遅れないようにしたいな…と思います。

紫金山アトラス彗星が肉眼で見える条件

紫金山アトラス彗星のような彗星を肉眼で見るには、いくつかの条件が揃う必要があります。

彗星の明るさ、観測場所の環境、そして観測時期が重要です。これらの要素がどのように影響するかを理解することで、観測の成功率を高めることができます。

彗星の明るさと等級

彗星の明るさは等級で表され、等級の数値が小さくなるほど明るい天体、大きくなるほど暗い天体となります。つまり、数字が小さいほど明るく見えます。

そして、等級には、観測者からの距離に関係した見かけの等級絶対等級、測定に使われた波長に関係した写真等級実視等級、全波長の総エネルギー量を反映した放射等級などがあります。

1等級の違いはおよそ2.5倍の明るさの差に相当します。

肉眼で見える限界等級は一般的に6等級程度5とされていますが、これは理想的な暗い夜空の場合です。都市部など光害の影響がある場所では、肉眼で見える限界等級はさらに明るくなります。(⇒同じ等級の星でも、ネオン明かりのない田舎の方が明るく見えます)

そして、紫金山・アトラス彗星のような彗星は、太陽に近づくにつれて明るさを増しますが、その明るさの変化は予測が難しく、必ずしも肉眼で見えるほど明るくなるとは限りません。彗星の明るさに関する最新情報は、国立天文台などのウェブサイトで確認できます。

観測に適した場所と時間帯

  • 観察時間帯:日の入り後1時間前後
  • 方角:西

空が暗くなってから彗星が沈むまでの時間が短いため、日の入り後1時間前後を目安に観察するとよいでしょう。

繰り返しになりますが、彗星を肉眼で観測するためには、暗い夜空の方が適しています。天体観測の際は、街灯や建物の明かりなど、人工的な光が少ない場所を選びましょう。

理想的には、都市部から離れた山間部や郊外が適しています。また、月の光も観測の邪魔になるため、月明かりのない新月前後の時期がおすすめです。

国立天文台によると、10月16日以降は彗星の高度が高くなり、最も観察しやすくなる見込み。地球から遠ざかることで暗くはなるものの、双眼鏡や望遠鏡があれば、10月末までは観察が可能とされています。

ちなみに、16日は、全国的に広く曇りや雨の天気予報が出ているので、晴れる所が多い17日が天体観測に適していそうです。

光害の影響と対策

光害は、夜空の明るさを増し、暗い天体を見えにくくする大きな要因です。

都市部では特に光害の影響が強く、肉眼での彗星観測は困難になる場合があります。光害の影響を軽減するためには、以下の対策が有効です。

対策内容
暗い場所を選ぶ都市部から離れた、光害の少ない場所を選びましょう。
赤いライトを使用する夜間の観測では、暗闇に目を慣らすことが重要です。
天体観測中に手元を照らす必要がある場合は赤い光で。

これらの対策を講じることで、光害の影響を最小限に抑え、肉眼での彗星観測の可能性を高めることができます。しかし、光害の影響が非常に強い地域では、肉眼での観測は難しい場合もあります。その場合は、双眼鏡や望遠鏡を使用することを検討しましょう。

SNSでの紫金山・アトラス彗星目撃報告

SNSでも紫金山・アトラス彗星の目撃報告や撮影した写真・動画を上げてくれている人がいます。とても素敵だったので、X(旧Twitter)より一部ご紹介します。

紫金山・アトラス彗星を見つけるコツ

紫金山・アトラス彗星のような彗星を見つけるのは、最初は難しいかもしれません。

しかし、いくつかのコツを掴めば、都会の明るい夜空でも見つける可能性を高めることができます。事前の準備と適切な機材、そして少しの根気が鍵となります。ご紹介します。

彗星の位置を事前に確認

彗星は日々位置を変えていくため、観測前にその日の位置を正確に把握することが重要です。以下の方法で確認できます。

天文アプリやウェブサイトの活用

スマートフォンアプリやウェブサイトを活用することで、リアルタイムの彗星の位置情報を得ることができます。「Comet Book」「Stellarium Mobile」や「Star Walk 2」などのアプリは、GPSと連動して現在地の星空を表示し、位置を正確に示してくれます。

Comet Book
Comet Book
開発元:Vixen Co.,Ltd.
無料
posted withアプリーチ

特に「Comet Book(コメットブック)」がオススメ。彗星の動きは早いので、1日経てば方角と高さは大きく変わります。彗星を見つける際に目印となる月や惑星も動きの大きい天体です。このアプリは彗星が見頃になる時期に合わせて、日付や時刻を手軽に変更して、彗星の位置を確認できます。


Stellarium Mobile - スターマップ
Stellarium Mobile – スターマップ
開発元:Noctua Software Ltd
無料
posted withアプリーチ

Star Walk 2 Ads+:無料星座アプリ
Star Walk 2 Ads+:無料星座アプリ
開発元:Vito Technology Inc.
無料
posted withアプリーチ

また、国立天文台のウェブサイトなどでも、彗星の軌道要素や位置情報が公開されています。

これらの情報を利用して、観測計画を立てましょう。

星図の活用

伝統的な星図も、彗星の位置確認に役立ちます。

星図には、星座や主要な星の位置が記されており、彗星の位置を特定する際の基準点となります。天文アプリやウェブサイトで得た彗星の位置情報を元に、星図上で彗星の位置を確認しましょう。星図の見方にある程度慣れが必要ですが、星空の理解を深める上でも役立ちます。

双眼鏡や望遠鏡を使う

肉眼で彗星を見つけるのは難しい場合が多いです。

その場合は、双眼鏡や望遠鏡を使うことで、より暗い天体も見ることができ、彗星の発見率を高めることができます。

双眼鏡と望遠鏡の違い

項目双眼鏡望遠鏡
視野広い狭い
倍率低い高い
携帯性高い低い
価格比較的安い比較的高い

双眼鏡は視野が広く、彗星のような広がった天体を探すのに適しています。

望遠鏡は高倍率で観測できますが、視野が狭いため、彗星の位置を正確に把握している必要があります。初心者の方には、まず双眼鏡から始めることをおすすめします。

双眼鏡は、天体望遠鏡と比べて高い倍率を出すことが出来ないため、劣っているように思われがちですが、実は初心者には双眼鏡の方がオススメです。倍率が高いということは、一部分を大きく拡大すること。つまり、その分だけ視野が狭くなります。一方で、双眼鏡は倍率が低いため広視界です。双眼鏡の方が彗星を見つけやすく、また、彗星全体を見渡すことができます。

適切な倍率の選び方

特に尾が生えた彗星を観測する場合は、倍率が低い方が視界が広くなって有利です。双眼鏡の場合は7倍から10倍程度のものが彗星観測に適していると言われています。

望遠鏡の場合は、彗星の明るさや尾の長さによって適切な倍率が異なります。一般的には低倍率から始め、徐々に倍率を上げていくのが良いでしょう。倍率が高すぎると、像が暗くなったり、視野が狭くなりすぎて彗星を見失いやすくなります。

紫金山アトラス彗星と他の天体の見分け方

彗星は、星雲や星団と間違えやすい天体です。

彗星を見分けるポイントは、そのぼんやりとした外観と、尾の存在です。星は点状に見えますが、彗星はガスや塵でできたコマ6と呼ばれる部分が広がって見え、尾を引いている場合があります。

ただし、尾は常に明瞭に見えるとは限りません。

彗星の位置を事前に正確に確認しておくことが重要です。また、彗星は日ごとに位置を変えるため、数日間連続で観測することで、他の天体との違いが明確になります。双眼鏡や望遠鏡を使うと、より詳細な彗星の姿を観察することができます。

紫金山・アトラス彗星の観測にあると便利な道具

紫金山アトラス彗星のような淡い天体を観測するには、肉眼だけでなく、いくつかの道具があるとより楽しめます。ここでは、彗星観測におすすめの道具を紹介します。

双眼鏡

双眼鏡は、手軽に彗星を観測するためのアイテムです。

肉眼では見えない暗い星々も見えるようになり、彗星のぼんやりとした姿を捉えることができます。倍率は7倍〜10倍程度のものがおすすめです。

倍率が高すぎると視野が狭くなり、彗星のような広がった天体を見つけるのが難しくなります。また、口径が大きいほど多くの光を集めることができるため、暗い彗星でも見やすくなります。

おすすめの双眼鏡としては、ビクセンの「アトレックII HR8x40WP」やニコンの「モナーク7 8×42」などがあります。防水設計のものを選べば、夜露や急な雨にも対応できます。

望遠鏡

望遠鏡は、双眼鏡よりも高い倍率で彗星を観測することができます。彗星の核や尾の構造など、より詳細な観察が可能です。

彗星観測には、口径が大きく焦点距離が短いタイプの望遠鏡が適しています。

望遠鏡を選ぶ際には、架台の種類にも注意が必要です。経緯台は操作が簡単ですが、天体の追尾には不向きです。赤道儀は天体の追尾が容易ですが、操作に慣れが必要です。初心者の方には、自動追尾機能付きの経緯台がおすすめです。

三脚

双眼鏡や望遠鏡を使う際には、三脚があると便利です。

手持ちでは像が揺れてしまい、彗星のような淡い天体をしっかりと観測することができません。三脚は、安定性が高く、スムーズに操作できるものを選びましょう。特に望遠鏡を使用する場合は、望遠鏡の重量に耐えられる頑丈な三脚が必要です。

三脚を選ぶ際には、搭載重量と高さ調整範囲に注意しましょう。搭載重量は、使用する双眼鏡や望遠鏡の重量よりも大きいものを選びます。高さ調整範囲は、自分の身長に合わせて調整できるものを選びましょう。

星図

彗星を見つけるためには、その日の彗星の位置を事前に把握しておく必要があります。

星図は、星座や星の位置を示した地図で、彗星を探す際に役立ちます。最近は、スマートフォンアプリやウェブサイトでリアルタイムの星図を確認することもできます。

紙の星図としては、「星座早見盤」などが市販されていますが、スマートフォンアプリの「Comet Book」「Star Walk 2」や「SkySafari」などがおすすめです。これらのアプリでは、GPS機能を利用して現在地の星空を表示したり、特定の天体を検索したりすることができます。

Comet Book
Comet Book
開発元:Vixen Co.,Ltd.
無料
posted withアプリーチ

Stellarium Mobile - スターマップ
Stellarium Mobile – スターマップ
開発元:Noctua Software Ltd
無料
posted withアプリーチ

Star Walk 2 Ads+:無料星座アプリ
Star Walk 2 Ads+:無料星座アプリ
開発元:Vito Technology Inc.
無料
posted withアプリーチ
SkySafari
SkySafari
開発元:Simulation Curriculum Corp.
¥700
posted withアプリーチ

赤いライト

手元を照らす時は「赤い光」を使いましょう!

天体観測中は「人工の光」は極力見ないよう努めます。 スマートフォン画面も×。

夜間の観測では、暗闇に目を慣らすことが重要です。通常の白いライトは目を刺激し、瞳孔が閉じてしまうため、暗順応を妨げてしまいます。赤いライトは暗順応への影響が少ないため、観測中に星図を確認したり、機材を操作したりする際に便利です。

赤いライトは、ヘッドライトタイプやキーホルダータイプなど、様々な種類が販売されています。明るさ調整機能付きのものがおすすめです。

道具用途選び方のポイント
双眼鏡手軽に彗星を観測7倍〜10倍、口径30mm〜50mm程度
望遠鏡彗星の詳細な観察口径10cm以上の反射望遠鏡、口径8cm以上の屈折望遠鏡
三脚双眼鏡や望遠鏡の固定安定性が高く、スムーズに操作できるもの
星図彗星の位置確認紙媒体、アプリなど
赤いライト暗順応の維持明るさ調整機能付きだと◎

紫金山アトラス彗星の撮影方法

紫金山アトラス彗星のような淡い天体を撮影するには、いくつかのコツが必要です。ここでは、スマートフォンと一眼レフカメラ、それぞれの撮影方法について解説します。

スマホでの撮影

最近のスマートフォンはカメラ性能が向上し、手軽に天体写真を撮ることができるようになりました。紫金山・アトラス彗星のような淡い天体を撮影するには、いくつか工夫が必要です。

スマホで彗星を撮影するための設定とコツ

マニュアルモードを使う露出時間、ISO感度、フォーカスなどを手動で調整できるマニュアルモードを使いましょう。
夜景モードや星空モードも有効です。
三脚を使う長時間露光が必要なため、三脚は必須です。ブレのない安定した撮影ができます。
タイマー撮影シャッターボタンを押す際の振動も防ぐため、タイマー撮影を利用しましょう。
露出時間を長くする彗星の淡い光を捉えるには、数秒から数十秒の露出時間が必要です。
適切な露出時間は、周囲の明るさや彗星の明るさによって異なります。
ISO感度を上げるISO感度を上げることで、より多くの光を取り込むことができます。
ただし、ISO感度を上げすぎるとノイズが増えるので、適切な値に調整しましょう。
ノイズリダクション機能も活用しましょう。
フォーカスを無限遠に合わせる星空を撮影する際は、フォーカスを無限遠に合わせます。
多くのスマートフォンでは、画面を長押しすることでフォーカスを固定できます。
構図を考える彗星だけでなく、周りの星や風景も取り入れることで、より魅力的な写真になります。
地上の風景と組み合わせることで、彗星のスケール感を表現することも可能です。

スマートフォンの機種によっては、専用の天体撮影アプリを利用することで、より高度な設定が可能になります。

一眼レフカメラでの撮影

一眼レフカメラを使用すれば、より高画質で美しい彗星の写真を撮影できます。レンズや設定を適切に選択することで、彗星の尾や構造まで捉えることが可能です。

一眼レフで彗星を撮影するための設定とコツ

項目設定解説
レンズ明るい広角レンズ、望遠レンズ彗星の全体像を捉えるには広角レンズ、尾の細部まで撮影するには望遠レンズ。
絞り開放F値できるだけ多くの光を取り込むために、基本は開放。
画面周辺などの画質が気になる場合は1段程度絞ると良い。
シャッタースピードバルブ撮影、数秒〜数十秒バルブモードを使えば、任意の時間だけシャッターを開けて撮影できます。
彗星の明るさや追尾撮影の有無に合わせて調整します。
追尾撮影をしない場合は、星が点像に写る範囲でなるべく長くします。
ISO感度800〜3200ノイズと明るさのバランスを見ながら調整します。
高感度ノイズリダクション機能も活用しましょう。

長時間露光を行う場合、地球の自転によって星が流れて写ってしまいます。これを防ぐためには、赤道儀を用いた追尾撮影が有効です。追尾撮影を行うことで、彗星を点像として捉え、より鮮明な写真を撮影できます。 

撮影した写真は、画像処理ソフトでノイズ除去や明るさ、コントラストの調整を行うことで、さらにクオリティを高めることができます。RAW形式で撮影しておくと、より柔軟な調整が可能です。

紫金山・アトラス彗星のライブ配信

国立天文台では、紫金山・アトラス彗星のライブ配信をしています。

参考にしたコンテンツ

まとめ

紫金山・アトラス彗星は、次の接近は8万年後となると考えられています。今回の接近は、一生に一度の貴重な観測チャンスと言えるでしょう。肉眼で見える可能性もあるため、ぜひ夜空を見上げて探してみてください。

彗星を見つけるには、事前の準備が大切です。天文アプリやウェブサイト、星図を活用して彗星の位置を正確に把握しましょう。双眼鏡や望遠鏡を使うと、より鮮明に観測しやすいです。光害の影響が少ない暗い場所を選ぶのもポイントです。街灯や月の光を避け、暗い場所で観測することで、彗星の淡い光を捉えやすくなります。

この記事では、紫金山・アトラス彗星の基本情報から、観測のコツ、必要な道具、撮影方法までを解説しました。この情報を参考に、貴重な天体ショーを楽しんでください。そして、8万年後にも再び地球に接近する紫金山・アトラス彗星に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、10月17日(木)は、2024年のスーパームーンが見られる日でもあります。紫金山・アトラス彗星を楽しんだ後は、大きな満月をお楽しみください♪

季節の変わり目で昼と夜の寒暖差が激しいですので、天体観察は暖かくしてお楽しみくださいね。

「C/2023 A3紫金山・アトラス彗星が話題ですが 「C/2024 S1 アトラス彗星」も10月末〜11月上旬に最接近します。今年は彗星が何度も観測できる、歴史的にも奇跡のような年。天体観測が楽しいです。

一生に一度どころか、8万年に1度!

こんな貴重な瞬間に立ち会えて幸せです。

奇跡に感謝。

8万年後、また会いましょう!

  1. 最接近時にはベガやカペラくらい明るく、日没後の西の空に肉眼で尾が見られると言われています。 ↩︎
  2. 紫金山天文台は、小惑星や彗星の発見で多くの実績を持つ、世界的に有名な天文台です。 ↩︎
  3. ハワイ、チリ、南アフリカにある望遠鏡で、移動する天体を捜索しています。紫金山・アトラス彗星は、南アフリカにある望遠鏡で発見されました。 ↩︎
  4. 彗星と太陽の距離は0.39天文単位(約5900万キロメートル) ↩︎
  5. 等級は、もともとは、古代ギリシアのヒッパルコスが、空に見える星を明るさの違いで6つに分類したことから始まり、いちばん明るい星を「1等星」、目視で確認できるぎりぎりの暗い星を「6等星」としていました。後世になって、ジョン・ハーシェル(John Frederick Herschel;1792-1871)が星の光度の測定を行ない、1等星と6等星の光量差が100倍であることを発見しました。 ↩︎
  6. 彗星が太陽に近づいたときに、彗星本体の周りに広がるガスと塵の淡い光に包まれるように見えます。 ↩︎
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました