大垣市は、「子育て日本一のまち大垣」を掲げ、行政による子育て支援に力を入れています。国内最高水準の行政サービスの提供を誇ります。(妊娠前から大垣市独自の支援があります!)
実は、こども医療費の助成(自己負担無料)制度の対象を「18歳まで」拡充したのも、岐阜県内では大垣市が最初でした。その他の子育て支援もいち早く導入しています。
この記事では、大垣市が取り組んでいる子育て支援施策についてご紹介します。
文中では、妊娠中から使える支援の見出しに[妊娠中]、妊娠前から使える支援の見出しに[妊娠前]の目印を添えています。
※助成金/補助金/給付金の支給条件は自治体により異なります。支給条件や、制度に関する最新情報は公式サイトをご確認ください。(各コンテンツに公式サイトへのリンクがあります)大垣市で受けられる子育て支援
岐阜県大垣市で受けることができる子育て支援の内容についてまとめました。
大垣市の子育てに関する給付金は、大垣市の公式サイトの「手当・給付金」のコンテンツでご覧になれます。以下、簡略化してご紹介します。
地域子育て支援センター
市内にある6つの保育園/幼稚園で、地域子育て支援センターを開設しています。
育児不安を解消するための育児相談など、様々な子育ての支援を行っています。(園庭開放、絵本の読み聞かせ、子育て講座や育児サロンの開催など)
【参考】大垣市:地域子育て支援センター
大垣市子育て支援ポータルサイト
子育て支援ポータルサイトには、予防接種スケジュールや子育て講座、子育てイベント、おでかけスポットなど役立つ情報が満載です。
【参考】大垣市子育て支援ポータルサイト
大垣市子育て支援アプリ
大垣市子育て支援アプリは、大垣市が力を入れている子育て支援のためのスマホアプリです。
大垣市では、メール配信サービス、冊子の配布などを通じて、積極的な子育て関連情報の提供に努めてきました。子育て支援ポータルサイトは、子育てに対する不安を解消し、安心して子育てができる社会を目指すために大垣市が取り組んでいる支援アプリです。
大垣市子育て支援アプリの内容
- 子育てに必要な情報(妊娠・出産・保育園入園・児童手当など)
- ぎふっこカード(岐阜県子育て家族応援キャンペーン事業)
- 子育てイベントの会場や開催日に関する情報
- 市内の各施設のマップ
- 子育て日記帳
- 予防接種のスケジュール
- 離乳食検索
- 緊急時の情報
- 子育てサポート・相談
- 市からのお知らせ
【参考】大垣市子育て支援アプリ
登録した生年月日を基準に、年齢に合わせた離乳食のレシピを提案してくれる機能がすごいな、と思いました。また、子育てで悩んだとき、アプリで各種支援事業や相談窓口を案内し、ワンタッチで電話をかけることができる機能もありがたいです。
妊活検診費の助成 [妊娠前]
大垣市では、保険適用にならない妊活健診費用の助成を行っています。妊娠を希望している夫婦が早めに検査を受けて必要に応じて適切な治療に踏み出すことを後押しするための支援です。大垣市独自の助成です。
精液検査(男性側の検査)と抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査(女性側の検査)が助成の対象です。いずれも保険適用がない全額自己負担の検査ですが、市の助成を受けて自己負担を軽減できるのはありがたいです。
※助成を受けるには、検査実施時に妻の年齢が43歳未満であることを満たす必要があります。
【参考】大垣市|妊活検診費の助成
ちなみに、抗ミュラー管ホルモン検査(AMH検査)は、卵巣内の卵胞数の推定および卵巣予備能を調べる検査です。AMHの値は年齢が高くなるにつれて低下するため、女性の妊娠しやすさの指標に使われます。AMHの値が低い場合は、タイミング法で頑張るよりも早期に体外受精や顕微授精にステップアップした方が妊娠・出産の可能性が高いと言われています。
精液検査では、精液中の精子数や濃度、運動率を調べることによって「自然妊娠が可能か」「自然妊娠の可能性は高いか」の判定材料にします。検査結果によっては、人工授精や体外受精、顕微授精への早期のステップアップが必要です。(精子数が少なくても自然妊娠できる可能性はありますが、確率は低くなります)
出生率を上げるために大垣市が真摯に取り組んでいることがよく分かる支援です。不妊症1の早期発見・や不妊治療の早期開始に役立ちます。
妊婦健康診査の公費負担 [妊娠中]
大垣市では、妊婦健康診査にかかる一定の費用について助成を行っています。
母子健康手帳交付時に妊婦健康診査受診票(補助券)を妊婦さんお一人につき15枚(7種類)交付しています。(※国が示す「標準的な健康診査の実施時期、実施回数及び内容」に基づいて交付をしていますが、最後の15枚目は大垣市独自の追加支援です)
【参考】大垣市|妊婦健康診査について
大垣市では、令和6年4月1日から「大垣市こども家庭センター」を市役所1階子育て支援課内に開設。母子保健分野の相談窓口と児童福祉分野の相談窓口を一体化しました。妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援の実現のための一体化です。こども家庭センターには保健師や社会福祉士、公認心理師ら計8人が常駐し、すべての妊産婦、子育て世帯、子どもの相談支援を行います。大垣市保健センターで行っていた母子健康手帳の交付もこども家庭センター(市役所1階子育て支援課内)で行います。2【参考】大垣市こども家庭センターについて
大垣市は保健センターの「子育て世代包括支援センター」業務と市役所(子育て支援課)の「子ども家庭総合支援拠点」業務の機能を統合しました。一本化されると、市民にとっては、手続きも分かりやすく、”たらい回し”状態にならなくて良いですね♪
マタニティ歯科健康診査 [妊娠中]
大垣市では、妊娠中1回に限り、自己負担300円で委託歯科医療機関でマタニティ歯科検診を受けられます。
妊娠中は、口腔内の状態が変化するため、むし歯や歯周病などが起きやすくなります。また、歯周病が進行すると、早産や低出生体重児の出産を引き起こすと言われているため、妊娠中のデンタルケアも大切です。体調の良い安定期(16~20週くらい)に受診しましょう。
出産・子育て応援ギフト
経済的支援:出産・子育て応援ギフト
出産・子育て応援ギフトは国の交付金制度ですが、ギフトの支給方法は各自治体にゆだねられており、現金・クーポン・物品などの支給方法で自治体によって個性が出ます。妊娠届出時(5万円相当)と出生届出後(5万円相当)の2回に分けて配布されます。
大垣市では令和5年10月1日から育児用品等購入のポイント付与に変更しました。(※以前は現金給付でした)
出産応援ギフト [妊娠中]
妊娠1回あたり5万円相当のギフトを支給します。母子健康手帳交付時に渡される申請書類を提出すると、出産応援ギフトが支給されます。
子育て応援ギフト
子ども1人あたり5万円相当のギフトを支給します。すこやか赤ちゃん訪問(生後2~3か月頃)の面談時に渡されるアンケートや申請書類を提出すると、出産応援ギフトが支給されます。
伴走型相談支援 [妊娠中~]
安心して出産・子育てができるよう、保健センターの保健師や助産師が中心となり、妊娠届出時・妊娠8か月時・乳児全戸訪問(すこやか赤ちゃん訪問)時にアンケートに基づき面談を実施し、妊娠期から出産・子育て期まで切れ目ない支援を行います。
【参考】大垣市|出産・子育て応援ギフト
産後ケア事業
大垣市に住民票があり、産後ケアを必要とする人を対象に産後ケア事業を実施しています。通所型(生後1年まで)は自己負担3,300円、宿泊型(生後1ヵ月まで)は自己負担7,500円で利用できます。
タイプ | 実施場所 | 子どもの月齢 | 自己負担額 |
---|---|---|---|
宿泊型 | ①クリニックママ ②もりレディースクラブクリニック | 1ヶ月まで | 7,500円 |
通所型 | ①母乳・育児相談室さんばさん ②もりレディースクラブクリニック | ①12ヶ月未満 ②3ヶ月未満 | 3,300円 |
【参考】大垣市|産後ケア事業について
「産後ケア事業」は、令和元年の母子保健法改正により、令和3年度からの実施が市区町村の努力義務となった子育て支援です。実施方法や自己負担額には市区町村でかなりの差があります。
親子バス利用支援事業 [妊娠中~]
大垣市では、小学6年生以下の子どもと一緒に路線バスを利用した場合、親子ともに運賃が無料となります。両親だけでなく、同一世帯の祖父母や兄姉も利用できます。妊娠中の方も対象です。
親子バス利用支援事業の利用には事前申請が必要です。
【参考】親子バス利用支援事業
エンゼルサポーター事業 [妊娠中~]
エンゼルサポーター事業とは、妊娠中や出産後の体調不良などにより家事や育児を行うことが困難な世帯を対象に、サポーターを派遣する事業です。妊娠中または小学6年生以下の子どもがいるご家庭が対象です。
育児に関する援助(授乳・おむつ交換・沐浴の介助など)のほか、家事に関する援助(炊事・洗濯・掃除・買い物の同伴など)も受けることが出来ます。
利用するには登録が必要なため、妊娠して母子手帳が交付されたら早めに登録しておきましょう。
【参考】エンジェルサポーター事業
ファミリーサポートセンター事業
大垣市では、生後2か月から小学6年生までの子どもを育てている世帯を対象に、ファミリーサポートセンター事業を行っています。子育ての援助を受けたい人(依頼会員)が、援助を協力してくれる人(提供会員)から、お子さんの預かりや送迎の支援を受けられます。利用するには登録が必要です。
おしゃべりサロン「いっぽ」
大垣市教育委員会は、小中学生の保護者の方を対象に、気軽に子育ての相談ができる、おしゃべりサロン「いっぽ」を開催しています。土曜サロンと夏休みサロンでは、小中学生の学習支援も行っています。
申込不要で参加できるので、子ども科学館や図書館のついでにお気軽に利用できます。未就学児の幼児のお子さんがご一緒でもかまいません。
小中学生の保護者の方を対象としたサポートのため、「転勤族などで岐阜県に慣れていない人にはありがたい」と人気の子育て支援事業です。
18歳まで子ども医療費助成対象
大垣市では、子ども医療費助成は、18歳に達して初めて迎える3月31日までが対象です。急な病気や怪我のときに、安心して医療機関を受診できます。
年齢要件のみで、所得制限はありません。
医療費助成制度の対象が18歳であること、保護者の所得に関係なく平等に支援を受けられることからも、大垣市が子育て支援に力を入れていることがよく分かります。
【参考】子ども医療費助成制度
児童手当(全国共通)
児童手当は、全国一律の制度ですので、給付条件や給付額に地域差はありません。大垣市でも他の市町村と同じように給付を受けることができます。
- 中学校修了前の児童を養育している方に児童手当が支給されます。
※受給者は、原則、父・母のうち所得の高い方です。
※所得上限限度額以上の場合は、不支給。
※令和6年10月より児童手当制度が改正されます。所得制限が撤廃されます。
【参考】大垣市|児童手当
改正前(令和6年9月分まで) | 改正後 (令和6年10月分以降) | |
---|---|---|
支給対象 | 中学校修了までの児童を 養育している市内在住の方 | 高校生年代までの児童を 養育している市内在住の方 |
所得制限 | あり | なし |
手当月額 | ・3歳未満:一律 15,000円 ・3歳〜小学校修了まで 第1子、第2子:10,000円 第3子以降:15,000円 ・中学生:一律 10,000円 ・所得制限限度額以上、 所得上限限度額未満:5,000円 | ・3歳未満 第1子、第2子: 15,000円 第3子以降: 30,000円 ・3歳〜高校生年代まで 第1子、第2子:10,000円 第3子以降:30,000円 |
第3子カウントに用いる児童 | 18歳到達後の最初の年度末まで | 22歳到達後の最初の年度末まで |
支給回数 | 年3回(2月・6月・10月) | 年6回(偶数月) |
支払通知 | 年1回支払通知書を送付 | 廃止 |
【参考】大垣市|令和6年10月分(12月支給)からの児童手当制度改正について
児童扶養手当(全国共通)
児童扶養手当は、父母の離婚や死別などでの、ひとり親家庭等の世帯の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図るための手当です。
児童扶養手当は、国庫負担3分の1という国の支援のもと、都道府県が実施している制度です。支給額や所得制限等の給付条件は全国一律です。
【参考】大垣市|児童扶養手当
子育て世代の定住移住への支援
子育て世代等住宅取得支援事業
大垣市では、大垣市内に新築住宅を取得した一定の条件を満たす人に、金融機関などで借り入れた住宅取得費用の利子の一部を助成します。助成期間は3年で、各年度の利子支払額(上限10万円)を年1回助成(最大30万円)します。申込期限は、対象住宅を取得した日から1年以内です。
【参考】大垣市|大垣住まいるサポート事業「子育て世代等住宅取得支援事業利子補給金」のご案内
子育て世代等中古住宅取得リフォーム支援事業
大垣市では、大垣市内に新たに中古住宅を取得し、自ら居住する子育て世代の人を対象に、リフォームにかかる費用の一部を補助します。補助金額は、リフォーム費用の3分の1(上限30万円)で、対象住宅を取得した日から1年以内で、リフォーム工事着手前に交付申請を行う必要があります。
【参考】大垣市|「子育て世代等中古住宅取得リフォーム支援事業補助金」のご案内
子育て世代近居支援事業
市外に住む子育て世帯が、親世帯の住む市内に転入する場合、その転居費用(引っ越し費用)の一部を補助します。補助金額は、引っ越し費用の5分の3(上限6万円)で、転入日(住民票異動日)から6か月以内に交付申請を行う必要があります。
【参考】大垣市|大垣住まいるサポート事業「子育て世代近居支援事業補助金」のご案内
子育て世代等移住定住活動費支援事業
大垣市への移住を検討している「県外在住の子育て世代等」を対象に、移住定住活動(住居や仕事を探す活動など)を行う際に必要となる交通費や宿泊費、レンタカー代金を補助します。
この他に「東京圏からの移住支援事業」などもあります。
【参考】大垣市|移住・定住促進 大垣で暮らそう~大垣暮らしのオトクな制度~
その他 大垣市独自の子育て支援
このうち、特徴的なものを以下にご紹介しますね。
子育て世帯生活支援特別給付金
食費等の物価高騰の影響を特に受けて損害を受けた低所得の子育て世帯の生活を支援するため、児童1人につき5万円の生活支援特別給付金を支給。
【参考】大垣市|低所得の子育て世帯へ「生活支援特別給付金」を支給
そのほか、ひとり親世帯の生活の安定と自立の支援を目指すため、「養育費手続支援事業」として、公正証書や調停調書等で養育費の取り決めをした場合に、補助金を交付しています。離婚時に養育費をきちんと定めることにより子どもを保護するよう働きかけています。
また、「ひとり親家庭等日常生活支援事業」として、ひとり親家庭等が疾病・事故・災害等により一時的に生活援助が必要な場合に、支援員としてヘルパーを派遣しています。介護、保育、食事の世話、清掃、洗濯、買い物等の支援を受けられます。
助産制度 [妊娠中~]
経済的な理由で入院できない妊産婦の方に、市の指定する助産施設(大垣市民病院)を利用してもらう制度です。事前に申請した生活保護受給世帯や市民税非課税世帯などが対象です。
【参考】大垣市|助産制度
多胎家庭おでかけアシストタクシー事業
多胎児と一緒にタクシーで移動する場合に利用できる「多胎家庭おでかけアシストタクシー利用券」を交付。満一歳まで使えます。利用できるタクシー会社は、大垣タクシー・岐阜近鉄タクシー・スイトタクシー(スイトトラベル株式会社)・中部交通です。
障害児通所支援事業
- 児童発達支援、医療型児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 保育所等訪問支援
- 居宅訪問型児童発達支援
【参考】大垣市|障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービスなど)について
大垣市の子育てに関する手当・給付金は、大垣市の公式サイトの「手当・給付金」のコンテンツでご覧になれます。
etc.
「大垣は母子手帳の表紙が可愛い」ことでもちょっぴり有名です。スヌーピーやディズニーキャラクター(ベビーミッキー達)・・・年代によって違うので、周りの経験者に聞いてみても面白いかもしれませんね。なお、母子手帳は、デザインには自治体により差異があるものの、中身はほぼ同じです。
岐阜県独自の子育て支援
- ぎふっこカード(協賛店舗での割引などのサービスを受けられる)
- 父子手帳「パパスイッチオン!ぎふイクメンへの道」
- 孫育てガイドブック 〜孫でマゴマゴしたときに読む本〜
(※県がNPO法人くすくすに委託して作成) - 岐阜県特定不妊治療助成事業 [妊娠前]
(※保険適用で受けた特定不妊治療(顕微授精・体外受精)及び男性不妊の治療について上限10万円まで助成) - 岐阜県不育症検査等費用助成事業 [妊娠前]
- 子ども相談センター
- 第2子以降の出産時に1人あたり10万円のお祝い金を支給。
- 高等学校への進学を控えた中学3年生に3万円の準備金を支給。
大垣市の子育て環境
スーパーや公園も多く、子育てしやすそうです。
【まとめ】子育て支援が充実している大垣市は子育て世帯に大人気!
大垣は、鉄道を使えば30分で名古屋に出られるアクセスの便利さや都市機能の充実でとても人気の街です。「水の都」と呼ばれるだけあって、自然も豊かで、ゆったりと子育てができます。
「子育て日本一のまち大垣」を掲げ、行政による子育て支援に力を入れているだけあって、子育て支援が充実しているため、子育て中の世帯やこれから子どもを持つ若者世代にも人気の街です。
本記事のアイキャッチ画像に使用した写真は大垣市のシンボル「住吉燈台」です。
大垣市の公式サイトURLはhttps://www.city.ogaki.lg.jp/です。
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