10月19日「ほめ育の日」を機に、褒める育児についてまとめてみました。
- そもそも「ほめ育」を知らなかった人
- 「ほめ育」という言葉だけは聞いたことがある人
- ほめ育って実際どうすればいいの?と思っている人
- 褒めすぎても良くないって聞くし…と思っている人
- そもそもどんな風に褒めたらいいのか分からない人
にオススメの記事です。
この記事では、子どもの自己肯定感を育み、良好な親子関係を築くための「ほめ育」について、具体的な方法や注意点まで徹底解説します。
ほめ育の定義や効果はもちろん、年齢に合わせた効果的な褒め方、よくある失敗例、イヤイヤ期・反抗期への対処法まで網羅。さらに、叱り方とのバランスについても触れているので、ほめ育を正しく実践し、お子さんの健やかな成長をサポートしたいと考えている親御さん必見の内容です。
この記事を読めば、明日からすぐに実践できるほめ育のコツが分かり、自信を持って子育てに取り組めるようになりますよ♪
ほめ育とは?
「ほめ育」とは、子どもを褒めて伸ばす子育て法のこと。
単に褒め言葉をたくさんかけるのではなく、子どもの行動や努力、成長を具体的に認め、肯定することで、自己肯定感を高め、意欲や挑戦心を育むことを目的としています。
ほめ育の定義と基本的な考え方
ほめ育は、子どもの「良いところ」を見つけ、それを言葉で伝えることで、子どもの自己肯定感を育み、健やかな成長を促す子育て法です。
子どもは褒められることで、自分が認められていると感じ、自信を持つことができます。 この自信が、新たな挑戦への意欲や困難を乗り越える力へと繋がっていきます。
ほめ育の基本的な考え方は、子どもの行動や努力、成長を具体的に認め、肯定的に評価することです。
なぜ今、ほめ育が注目されているのか
現代社会では、子どもを取り巻く環境が複雑化し、競争も激化しています。
そのため、子どもたちは、自信を失いやすく、自己肯定感が低い傾向にあります。このような状況の中で、子どもの自己肯定感を育み、健やかな成長をサポートする子育て法として、ほめ育が注目されています。
また、叱責中心の伝統的な子育てとは異なり、子どもの心に寄り添い、良好な親子関係を築くことができる点も、現代の親にとって魅力となっています。万が一のときに子どものSOSサインを早期発見するためにも、親子間の良好なコミュニケーションは重要です。
10月19日ほめ育の日
10月19日は「ほめ育の日」として一般財団法人「ほめ育財団」によって制定されました。
ほめ育財団は、大阪府大阪市中央区に事務局を置き、子どもたちの教育への投資(寄付)に取り組んでいる団体です。ほめ育を通じて「一人ひとりの能力を最大限に引き出し、自分もまわりも幸せな人生を送ることができる」と考え、子どもたちの使命と長所を見つけるためのお手伝いをしています。日本だけでなく世界にほめ育(Ho-Me-I-Ku)を広める活動をしています。
この記念日は、ほめ育の理念や実践方法を広く社会に啓発し、子どもたちの健やかな成長を支援することを目的としています。
褒めて育てる効果
「ほめ育」を実践することで、子どもにとって様々なポジティブな効果が期待できます。
自己肯定感の向上や学習意欲の向上だけでなく、親子関係の改善や、社会性の発達にも良い影響を与えることが多くの研究で示されています。 具体的には、以下のような効果が挙げられます。
子どもの自己肯定感を育む
ほめられる経験を通して、子どもは「自分は認められている」「自分は大切な存在だ」と感じ、自己肯定感を育むことができます。 自己肯定感が高い子どもは、自分に自信を持ち、困難に立ち向かう力や、新しいことに挑戦する意欲を持つことができます。
逆に、自己肯定感が低いと、失敗を恐れたり、周囲の目を気にしすぎたりして、自分の可能性を狭めてしまう可能性があります。
子どもの意欲や挑戦心を高める
努力や成果を褒められることで、子どもは「もっと頑張ろう」「もっとできるようになりたい」という意欲や挑戦心を高めることができます。
例えば、宿題を頑張ったときや、テストで良い点を取ったときだけでなく、苦手なことに挑戦したときや、最後まで諦めずに努力したときにも褒めることで、子どもの学習意欲を高めることができます。 また、スポーツや習い事など、様々な分野で挑戦する意欲を高めることにも繋がります。
適切な賞賛が子どもの学習意欲を高める効果があると言われています。
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親子関係を良好にする
子どもを褒めることは、親子のコミュニケーションを増やし、良好な関係を築く上で重要な役割を果たします。
褒めることで、子どもは親から愛されていると感じ、親への信頼感や安心感を育むことができます。 また、親も子どもの良いところに目を向けることで、子どもへの愛情を再確認し、より深い絆を育むことができます。
イヤイヤ期・反抗期の子育てをスムーズにする
イヤイヤ期や反抗期の子どもは、自分の思い通りにならないと癇癪を起こしたり、親の言うことを聞かなかったりすることがあります。
しかし、そんなときでも、子どもの良い行動や頑張っている部分を積極的に褒めることで、子どもの気持ちを落ち着かせ、穏やかに接することができます。 また、褒められることで、子どもは自己肯定感を高め、自信を持って行動できるようになるため、イヤイヤ期や反抗期の行動を軽減する効果も期待できます。
時期 | ほめ育の効果 |
---|---|
イヤイヤ期 | 感情のコントロールを促し、親子の衝突を減らす |
反抗期 | 自己肯定感を高め、自立を促す |
ほめ育の実践のコツ
ほめ育を効果的に実践するためのコツは、以下の通りです。これらのポイントを意識することで、子どもの自己肯定感を高め、健やかな成長をサポートすることができます。
結果ではなく過程を褒める
テストで良い点を取った、絵を上手に描けたなど、結果だけを褒めるのではなく、努力や工夫した過程を褒めることが大切です。
例えば、「一生懸命練習したから、こんなに上手に跳び箱が跳べるようになったね!」や「最後まで諦めずに頑張ったから、難しいパズルも完成できたね!」のように、具体的な行動や努力を褒めることで、子どもは努力することの大切さを学び、更なる挑戦意欲を育むことができます。
目標達成を褒める場合は、「目標達成のために、どんな工夫をしたの?」と具体的に質問することで、子どもの思考力や問題解決能力を育むことにも繋がります。
具体的に褒める
「すごいね」「えらいね」といった漠然とした褒め言葉ではなく、「○○ができたね!」「○○が上手になったね!」のように、具体的に何が良かったのかを伝えることが重要です。
例えば、絵を描いた際に「色使いがとてもきれいだね!特に空のグラデーションが素晴らしいね」のように、具体的な部分を褒めることで、子どもは自分の長所を理解し、自信を深めることができます。また、具体的な褒め言葉は、子どもが自分の行動を振り返り、改善点を見つけることにも役立ちます。
子どもの年齢に合わせた褒め方
子どもの発達段階に合わせて褒め方を変えることも大切です。幼い子どもには、短い言葉で分かりやすく褒め、年齢が上がるにつれて、より具体的な表現や理由を添えて褒めるようにしましょう。
0歳~2歳児への効果的な褒め方
この時期の子どもたちは、言葉でのコミュニケーションがまだ十分に発達していないため、笑顔やスキンシップを交えながら、「よくできたね!」「上手だね!」など、シンプルな言葉で褒めてあげましょう。「ままま」などの喃語で話しかけてきたら、優しく声をかけたり、繰り返したりすることで、コミュニケーションを促すことも大切です。
3歳~5歳児への効果的な褒め方
この時期になると、言葉でのコミュニケーションが活発になります。具体的に何が良かったのかを伝え、「○○ができたね!」「○○が上手になったね!」と褒めてあげましょう。
また、お手伝いを積極的に行うようになるので、「お手伝いありがとう!助かったよ」と感謝の気持ちを伝えることも重要です。
小学生への効果的な褒め方
小学生になると、物事を論理的に考える力が発達してきます。そのため、褒める際には、なぜ良かったのかという理由を添えて、「○○ができたね!それは、○○という努力をしたからだね」のように具体的に説明することで、子どもの理解を深め、更なる成長を促すことができます。
また、努力や工夫を褒めることで、子どもは挑戦することの大切さを学び、困難に立ち向かう力を養うことができます。
年齢 | 褒め方のポイント | 褒め言葉の例 |
---|---|---|
0~2歳 | 笑顔とスキンシップを交えながら、短い言葉で褒める | 「上手だね!」「すごいね!」「よくできたね!」 |
3~5歳 | 具体的に何が良かったのかを伝える | 「○○ができたね!」「○○上手になったね!」「お手伝いありがとう!」 |
小学生 | 努力や工夫、理由を添えて褒める | 「○○ができたね!それは○○という努力をしたからだね」「○○が上手になったね!○○という工夫をしたからだね」 |
これらの年齢に合わせた褒め方を実践することで、子どもの自己肯定感を育み、健やかな成長をサポートすることができます。
イヤイヤ期・反抗期の子どもへのほめ育
イヤイヤ期や反抗期は、子どもの成長過程において誰もが経験する難しい時期です。この時期の子育ては、親にとっても大きな試練となりますが、ほめ育を効果的に取り入れることで、親子関係を良好に保ちながら、子どもの成長をサポートすることができます。
イヤイヤ期の子どもへの接し方と褒め方
イヤイヤ期は、自我が芽生え始め、自分の意思を主張しようとする時期です。
この時期の子どもは、言葉でうまく表現できないもどかしさから、かんしゃくを起こしたり、親の言うことを聞かなかったりすることがあります。そんなイヤイヤ期の子どもには、以下の点に注意しながら接し、褒めていくことが大切です。
子どもの気持ちを理解しようと努める | 頭ごなしに否定するのではなく、「〇〇したかったんだね」など共感の言葉を伝えましょう。 |
選択肢を与える | 例えば、服を着替える際に「赤い服と青い服、どっちがいい?」と選択肢を与え、自分で決断させることで、自主性を育みます。 |
できたことを具体的に褒める | 「自分で靴を履けたね!」「おもちゃを片付けられたね!」など、小さなことでも具体的に褒めることで、自己肯定感を高めます。 |
【3歳ごろまでの効果的な褒め方】この時期は、言葉でのコミュニケーションがまだ難しい時期です。笑顔やスキンシップ、優しく語りかけるなど、言葉以外の方法でたくさん愛情を伝えましょう。何かできたときは、「すごいね!」「上手だね!」など、シンプルな言葉で褒めてあげましょう。また、喃語で話しかけてきたら、優しく相槌を打つことも効果的です。
反抗期の子どもへの接し方と褒め方
反抗期は、子どもが自立に向けて親から離れようとする時期です。
この時期の子どもは、親の言うことに反発したり、反抗的な態度をとったりすることがあります。しかし、それは子どもが成長している証でもあります。反抗期の子どもには、以下の点に注意しながら接し、褒めていくことが大切です。
子どもの意見を尊重する | たとえ子どもの意見に反対であっても、頭ごなしに否定するのではなく、まずは子どもの意見に耳を傾けましょう。 |
適度な距離感を保つ | 過干渉になりすぎず、子どもに適度な距離感を与えることで、自立を促します。 |
努力や頑張りを褒める | 結果だけでなく、努力や頑張りを褒めることで、子どものモチベーションを高めます。 例えば、「宿題を最後まで頑張ったね!」「テスト勉強、よく頑張ったね!」など、努力を認める言葉を伝えましょう。 |
【小学生への効果的な褒め方】小学生になると、褒められるポイントもより具体的になります。勉強やスポーツ、お手伝いなど、様々な場面で努力や成果を褒めてあげましょう。また、友達との関わりや、社会的なルールを守る行動なども褒めることで、より良い人間関係を築くサポートになります。
ほめ育でよくある失敗例と対処法
ほめ育を実践する上で、よくある失敗例と対処法を以下にまとめました。
失敗例 | 対処法 |
---|---|
結果ばかりを褒める | 結果だけでなく、過程や努力も褒める |
抽象的に褒める | 具体的に褒める |
他人と比較して褒める | 子ども自身を褒める |
褒め言葉がマンネリ化する | 褒め言葉のバリエーションを増やす |
褒めすぎで子どもが調子に乗る | 褒めると叱るのバランスを考える |
これらの点に注意し、適切なほめ育を実践することで、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。
ほめ育を取り入れる上での注意点
ほめ育は、子どもの成長を促す効果的な子育て法ですが、いくつかの注意点を守らないと逆効果になってしまうこともあります。効果的にほめ育を実践するために、以下の点に気をつけましょう。
褒めすぎにならないように注意する
褒めすぎることで、子どもが褒められること自体に依存してしまう可能性があります。
常に褒められることを期待するようになり、褒められないとやる気をなくしたり、努力しなくなったりする可能性も。また、小さなことでも過剰に褒め続けると、褒めの価値が薄れてしまい、真に褒められるべき場面での喜びや達成感が薄れてしまう可能性もあります。子どもの行動を注意深く観察し、本当に褒めるべき場面を見極めることが大切です。
頑張りを認め、努力や成長を褒めるように心がけましょう。
叱るときのポイント
ほめ育を実践していても、子どもを叱らなければならない場面は必ずあります。
叱るときは、感情的に怒鳴ったり、人格を否定するような言葉を避け、冷静に、なぜ叱っているのかを具体的に伝えましょう。例えば、「おもちゃを片付けないからダメ」ではなく、「おもちゃが散らかっていると危ないし、次に遊ぶときに探しにくくなるから、片付けてほしい」のように、理由を説明することで、子どもは納得しやすくなります。また、叱った後は、子どもの気持ちを理解し、寄り添う姿勢を見せることも大切です。叱ることと褒めることのバランスをうまくとることで、子どもは健やかに成長できます。
ほめ育と叱り育のバランス
ほめ育と叱り育は、相反するものではなく、両輪の関係にあります。
どちらかに偏ることなく、バランスよく行うことが大切です。叱る時は、子どもの行動を正すために必要なことであり、愛情を持って叱るように心がけましょう。以下の表に、ほめ育と叱り育のバランスの取り方についてまとめました。
場面 | ほめ育 | 叱り育にプラスしたい褒めの要素 |
---|---|---|
子どもが努力しているとき | 過程や頑張りを具体的に褒める。 「○○を頑張っているね」「○○に挑戦しているところが素晴らしいね」など。 | 結果が悪くても、努力を認める。 「今回はうまくいかなかったけど、頑張っていたね。次はきっとできるよ」など。 |
子どもが間違えたとき | 間違えを恐れず挑戦したことを褒める。 「○○に挑戦したんだね。すごいね」など。 | 間違えを指摘するだけでなく、正しい方法を教える。 「○○はこうするんだよ」など。 |
子どもがルールを守れないとき | ルールを守れたときは、具体的に褒める。 「○○を守ってくれてありがとう」など。 | なぜルールを守らなければならないのかを説明する。 守らなかった場合は、その結果どうなるかを伝える。 |
子どもが危険な行動をしたとき | 危険な行動をやめたことを褒める。 「○○をやめてくれてありがとう。危ないからやらないでね」など。 | 危険な行動をなぜしてはいけないのかを具体的に説明し、厳しく叱る。 「○○は危ないから絶対にやめて」など。 |
上記を参考に、状況に応じて適切な対応をとるようにしましょう。
ほめ育は、子どもの自己肯定感を高め、健やかな成長を促す効果的な子育て法です。注意点を守りながら、積極的に取り入れていきましょう。
ただし、子育てにはマニュアルがないように、ほめ育にも正解はありません。お子さんの個性や状況に合わせて、柔軟に取り入れていくことが大切です。困ったときは、地域の相談窓口や専門家に相談してみるのも良いでしょう。
ほめ育に役立つ書籍
まとめ
この記事では、ほめ育の効果や実践のコツ、イヤイヤ期・反抗期の子育てへの応用方法などについて解説しました。
ほめ育とは、子どもの行動や努力を褒めることで、自己肯定感を高め、意欲や挑戦心を育む子育て方法です。現代社会において、子どもたちが様々な困難に立ち向かう力を身につけるために、ほめ育は非常に有効な手段と言えるでしょう。
ほめ育を実践する際には、結果ではなく過程を褒める、具体的に褒める、子どもの年齢に合わせた褒め方をする、褒め言葉のバリエーションを増やすなど、いくつかのコツがあります。
また、イヤイヤ期や反抗期の子どもには、それぞれの発達段階に合わせた適切な褒め方をすることが重要です。
よくある失敗例として、褒めすぎや、結果ばかりを褒めることが挙げられます。これらの失敗を避けるためには、叱るときのポイントを理解し、ほめ育と叱り育のバランスをとることが大切です。
ほめ育は、子どもの健やかな成長を促すための強力なツールです。ご紹介したコツや注意点を押さえ、ぜひ日々の育児に取り入れてみてください。子どもの笑顔が増え、親子関係がより一層良好になるはずです。